花見の都市伝説!桜の樹の下には死体が・・・

 

花見の季節にいつも話題になる都市伝説はご存知ですか?

「桜の樹の下には屍体したいが埋まっている」という話は本当でしょうか?

この都市伝説は実は、日本人の心を表している・・・

信じるか信じないかはあなた次第・・・

Sponsored Link


桜の樹の下には

まずこちらの引用文をお読みください。
その後この都市伝説の詳しい解説をしますね(^O^)

桜の樹の下には死体が埋まっている!

これは信じていいことなんだよ。
桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。
俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。
しかしいま、やっとわかるときが来た。
桜の樹の下には死体が埋まっている。
これは信じていいことだ。

いったいどんな樹の花でも、いわゆる真っ盛りという状態に達すると、
あたりの空気のなかへ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。

それは人の心を打たずにはおかない、不思議な、生き生きとした、美しさだ。
しかし、昨日、一昨日、俺の心をひどく陰気にしたものもそれなのだ。
俺にはその美しさがなにか信じられないもののような気がした。
俺は反対に不安になり、憂鬱になり、空虚な気持になった。
しかし、俺はいまやっとわかった。

おまえ、この爛漫と咲き乱れている桜の樹の下へ、
一つ一つ屍体が埋まっていると想像してみるがいい。
何が俺をそんなに不安にしていたかがおまえには納得がいくだろう。

桜の根は貪婪(どんらん)な蛸のように、死体を抱きかかえ、
いそぎんちゃくの食糸のような毛根をあつめて、その液体を吸っている。

何があんな花弁を作り、何があんなめしべを作っているのか、
俺は毛根の吸いあげる水晶のような液が、静かな行列を作って、
維管束のなかを夢のようにあがってゆくのが見えるようだ。

おまえは何をそう苦しそうな顔をしているのだ。
美しい透視術じゃないか。
俺はいまようやく瞳を据えて桜の花が見られるようになったのだ。
昨日、一昨日、俺を不安がらせた神秘から自由になったのだ。

二三日前、俺は、ここの谷へ下りて、石の上を伝い歩きしていた。
しばらく歩いていると、俺は変なものに出くわした。
それは谷の水が乾いた瓦へ、小さい水溜を残している、その水のなかだった。
思いがけない石油を流したような光彩が、一面に浮いているのだ。

おまえはそれを何だったと思う。
それは何万匹とも数の知れない、かげろうの死体だったのだ。
隙間なく水の面を被っている、彼らのかさなりあった羽が、光にちぢれて油のような光彩を流しているのだ。
そこが、産卵を終わった彼らの墓場だったのだ。

ああ、桜の樹の下には死体が埋まっている!
いったいどこから浮かんで来た空想かさっぱり見当のつかない死体が、
いまはまるで桜の樹と一つになって、
どんなに頭を振っても離れてゆこうとはしない。

今こそ俺は、あの桜の樹の下で酒宴をひらいている村人たちと同じ権利で、
花見の酒が呑めそうな気がする。

本当に桜の下には死体が埋まっているのか?

いかがだったですか?この都市伝説。
本当かよ・・・って思っている人が多いかもしれません。

 

 

その感情、正解です(笑)
実はこの都市伝説は、梶井基次郎さんの「桜の樹の下には」の一節で、
読みやすいように中略してあります。

 

 

では、この「桜の樹の下には」の
「桜の樹の下には死体が埋まっている」は何を表しているのでしょうか?

桜

「桜」と「死体」には日本人の心が詰まっている

桜の樹の下には屍体が埋まっている!という表現には、
桜があまりにも美しすぎるため、その対極にある「死体」という言葉を使って、
心の均衡を図ろうとしています。

 

 

日々、生きていく中で私たちは常に不安を持っていますよね。
不安のない人はこの世には存在しません。

 

 

なのに、桜を見るとその不安が全くないかのように思える・・・
そんなあまりにも美しい桜の姿を見て、文中の「俺」は逆に不安を感じています。

 

 

この表現の中で、梶井さんは何が言いたいのかというと、
「生と死の平衡感覚」を描いていると言えます。

 

 

これは日本人特有の感性と言えます。
日本の花と言えば、「桜」が代表的ですよね。
ですが、ヨーロッパの花と言えば、「バラ」が代表的です。

 

 

この日本の「桜」とヨーロッパの「バラ」が
日本とヨーロッパの感性の違いを表しています。

 

 

「バラ」は見た目は美しく、強いイメージですが、
美しい花の下にはトゲが隠されていますよね。
そして、花が終わる時は、枝についたまま朽ち果てます。

 

 

それに対して「桜」は、淡く美しいですが、
トゲは持っていなく、無防備です。
そして花が終わる時は、花びらが儚く散っていきます。

 

 

これはバラは生への執着心、そして死への恐れを表していると言われます。
ですが桜を愛し、花が散る儚さも好む日本人は、「死」をも受け入れる覚悟がある。
これは大和魂、武士道の精神に通じるものです。

 

 

バラはバラで違う美しさがあるので、
バラを卑下しているということではありません。

 

 

東日本大震災における日本人の姿勢が
世界で絶賛された裏には、このような感性の素晴らしさもあるのです。

 

 

日本は自然災害が多い国ですが、
その災害も受け入れて、日本人みんなで協力して復活する。
このような日本人の心を「桜」が表していると言えます。

 

 

そしてこの都市伝説と言われる「桜」と「死体」の対極にある表現も
日本人の心を的確に表した一節と言えますね。

Sponsored Links
↓ いつもありがとうございます♪ シェアして頂けたら、泣いて喜びます(^O^)

コメントを残す